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第四編 社会的主体

 第四編は社会的存在として、社会的主体を実現する課題についてである。個 人が組織に支配されるのではなく、個人が組織的主体として社会的役割を実現 する課題である。組織活動の基本を再確認しておく。
 実践のための世界観にとって不可欠な一部分である。

 心理学あるいは統計調査を用いて人間行動、欲求、意識づけ、組織運営の研 究も行われている。それら研究では一般的に社会的主体、歴史的人間としての 考慮はしない。社会性、歴史性の問題はイデオロギーを前提とすることになる として無視されている。また、一般的、普遍的研究の一方で企業経営、運営の ためのノウハウの提供を目的とすることを隠さない「経営学」もある。
 新興宗教には組織拡大、強化に既成の宗教にない組織力がある。既成の宗教 も創始の頃、中興の頃そうであったであろうように、より多くの者を引きつけ る力がある。
注46   注47

 組織運営を問題とする場合、これら「経営学」、新興宗教の実績も考慮しな くてはならない。その社会的影響力、役割が大きければ大きいほど組織運営に 関しては現実的であるから。例えば、組織化の重点として疎外された個人に 「親密な人間関係」を示したり、「自己犠牲によって獲得できる目標」を示す ことで善意の人々を企業、宗教に従属させる。その目的はともかく方法自体は 合理的である。
 宗教家であってもこの世での我々のあり方を問題にし、まともに生きようと するのなら、世界についての基本的考え方が違っていても、この世のことでは 未来をきりひらくため協力・共同ができる。


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