続き 第二部 第二編 生命の発展

戻る 第二部 第一編 第2章 世界の物理的構造

概観 全体の構成

   目次


第3章 世界の物質の歴史

 宇宙は太陽と星空の日々巡る単調な世界ではない。無限大の構造から微少な 物質の複雑な構造がある。その構造を作り出してきたダイナミックな歴史があ る。われわれは、日々1回転する地球の上に生活し、地球は太陽の回りを1年 で回る。太陽は銀河系の中を2.5億年で回る。銀河系は他の銀河系と相互に運動 しながら遠ざかり、全体はおよそ120〜150億年前から光のスピードで膨張して きた。太陽等の恒星は核融合反応により、我々にとっては膨大なエネルギーを 宇宙空間に放出し、やがて燃え尽きて大爆発をする。

 われわれの身体も星の爆発によって作り出された元素によって作られている。 地球も太陽が燃え尽きる時には太陽の膨張に呑込まれ、太陽の爆発によって宇 宙のチリに帰ると予測されている。物質の生成と消滅の大循環を伴う宇宙の歴 史がある。

 宇宙は空間と時間を統一して理解しなくてはならない。遠くの星、遠くの銀 河の観測は、その遠い分だけ昔のそれを観測している。観測する近くの構造は 現在に近い空間構造であるが、遠くの構造は過去の構造である。遠くの構造の 形をいま観測できるからといって、近くの構造の形と連続した空間と見なして はならない。近くから遠くへの空間的連続は、時間的遅れを伴った構造である。

 

第1節 宇宙の起原

【ビックバン】
 この宇宙の起源は「標準モデル」として考えられている。
 宇宙は120から150億年前の「ビックバン」に始まる。
 「ビックバン」の前についての問題は可能性の推論の段階である。われわれ が問題にすることのできる時間は物事の前後関係、運動の経過であり、「ビッ クバン」は前後関係も、運動の経過もない。運動が「ビックバン」から始まり、 時間も「ビックバン」から始まった。今のわれわれの理解している時間を基準 にして「ビックバン」以前を考えることはできない。観測過程も含めて物理過 程として実現する現象の連なりが始まる点であり、それ以前とか、その外でと かは物理的に関係しえない。特異点である。

 宇宙の開びゃくの証拠として、3つの観測事実が確認されている。

【宇宙の膨張】
 宇宙は膨張しており、時間を逆に過去をたどれば一点に集中する。膨張とは すべての銀河が、遠方の銀河程速く相互に遠ざかっている。
注19

【水素・ヘリウムの存在比】
 水素・ヘリウムの存在比は宇宙で一定である。「ビックバン」当初の高エネ ルギーの状態から、陽子と中性子が結びつき水素原子核からヘリウム原子核を 形成する。宇宙の温度が下がるとこの反応は終わり、これ以後の核反応は局所 的な恒星の重力の下で進む。新しい銀河でも、遠くの古い銀河でもヘリウムの 存在比は一定であり、全宇宙が銀河の構造を作り出す以前に一様であったこと を示す。

【背景輻射】
 宇宙の全方向から一様な背景(黒体)輻射がある。「ビックバン」の宇宙の 冷却の過程で、光と相互作用していた電子が原子核との相互作用として原子を 形成する。光は電子との相互作用から離れ直進するようになり、光によって宇 宙を見ることができる晴れ上がった状態になった。晴れ上がったときの光の温 度から、以後の膨張による光の温度の低下が輻射の波長の伸びとして一致する。

注20

【相対論的量子力学】
 相互作用を統合するエネルギーは、宇宙全体の体系として閉じる。
 物質の存在・運動の基本的相互作用である電磁気力、弱い相互作用、強い相 互作用、重力はひとつの相互作用の現れ方の違いであると考えられている。こ れ以外に物質に作用する力は存在しない。これ以外の力の存在はこの宇宙とは まったく関係のない、別の世界の存在である。
注21

 

第2節 宇宙の歴史・構造

 

第1項 銀河系

 ビックバンによって生成された物質である水素とヘリウムがその後の天体の 材料になる。水素分子、ヘリウム分子は宇宙に広がり宇宙に満ちるガスとして ある。宇宙原理として呼ばれる物質分布の一様性、等方向性である。
 宇宙全体の膨張と温度の低下は、水素ガス、ヘリウムガスの濃い部分と薄い 部分に偏る。高温・高密度の物質が膨張し温度が下がることによって、偏りが 生じる過程が純粋に生じたのか、何等かの爆発的過程で偏りが生じたのかはま だ明らかではない。
 物質の空間的な相互作用の偏りは、ガスの集合として銀河としての運動を作 り出す。
注22
 銀河自体の存在も宇宙では遍在し、銀河団、島宇宙を作る。それらの位置関 係の観測から宇宙全体の物質分布の構造が計算されている。
 ビックバン当初の原始銀河内では陽子である水素原子核から、銀河の運動に よる偏りによって水素の塊、水素の塊から恒星が形作られる。
 銀河は可視光線、電波で観測できる宇宙の構造であるが、宇宙の中には銀河 だけが存在するのではない。素粒子の一種であるニュートリノが宇宙には満ち 満ちていると予想されている。また、観測できていない暗黒物質(ダーク・マ ター)と呼ばれる、観測できる物質と同等以上の質量の存在が予想されている。 暗黒物質としてブラック・ホール、輝かない星間物質等が考えられている。

 

第2項 恒星系

【恒星の存在・運動】
 銀河として存在する水素ガスは銀河の運動の中で渦を巻き、渦の流れの中で 遍在する構造を作り出す。遍在し、高密度化する水素ガスは重力によりより集 まり、高密度化により高温になる。高温・高密度の環境で水素は核融合をする。 星の核融合は水素から順次より重い元素をつくり、中心部に蓄積する。水素原 子は陽子1つからなる元素である。核融合により陽子が結合することで、陽子 2つからなるヘリウム原子になる。核融合は順次陽子数の大きな元素を合成し、 恒星の中心部に集積する。核融合により生じる熱エネルギーと恒星の重量か釣 り合うことで恒星は存在する。

【元素の合成】
 恒星内の核融合によって作られる元素は、恒星の大きさ質量によって決まる。 小さい恒星は軽い元素、炭素や酸素の元素の核融合までしか進まない。大きい 恒星は鉄、ニッケルまで進む。やがて核融合材料がなくなると温度が下がり、 自重を支えるエネルギーが減少し潰れる。潰れる際にはそれまでの核融合とは 違う集中したエネルギーの解放が起こり、超新星として大爆発をする。
 より大きな星は最後の爆発後、中性子星となったりブラックホールになる。
 星の最後の爆発はその内側への圧力によって、より重い元素を作り出し宇宙 へ供給する。金、銀、ウラニゥム等はこの爆発によって宇宙に出現する。この 過程を経ることによって、現在の宇宙の物質材料が取り揃えられる。
 宇宙には核融合反応だけでなく、核融合反応よりずっと低い温度の環境で化 学反応が進む。核融合によって生成された分子は、分子間の結合・分離により 様々な分子を生成する。化学進化である。生物の基本材料である有機物も宇宙 に普遍的に存在する。銀河の中には恒星だけでなく、恒星の間の空間にも様々 な分子のガス・チリが存在する。これらは星間物質とよばれる。
 こうして揃えられた物質が再び集積し、衝突し、大きくなることによって、 次の世代の恒星や新たな宇宙の存在形式である惑星が生まれる。

 

第3項 惑星系

 銀河内で恒星が誕生する際、星間物質はすべてが恒星を作るとは限らない。 星間物質は銀河と同じに円盤状に渦を巻く運動をしながら集まる。星間物質の 集まりの不均一さが複数の塊を作り、共に充分大きければ二つの恒星からなる 連星系ができる。充分な星間物質が集まれば恒星ができるが、恒星以外にも恒 星になりきらない塊を作る。星間物質の塊は自らの重力の中心に集まりチリと なり、より大きな塊を形成し多数の微惑星ができる。微惑星はさらに集まり衝 突し、惑星へと成長する。
 われわれの太陽系の場合、恒星である太陽の回りを回る惑星系が形成された。 太陽の近くの軌道を回る惑星は軽い水素ガス等を太陽からの爆風(太陽風)に よって飛ばされて地球型の惑星となる。太陽から離れた惑星にはガスが残る。 太陽系にはこの他、惑星の衛星、惑星の輪、彗星等様々な物質の運動、形があ る。

 

第4項 地球

 地球は単なる土の塊ではない。地中にも構造があり、運動している。大気圏 も構造があり、地球環境を構成している。

【地球環境の形成】
 惑星は太陽と他の惑星と引力、潮汐力のつり合った公転軌道にあり、分解さ れることもない。地球の公転軌道の太陽からの距離は、地球上の環境を決定す る条件としても特別である。
 惑星生成初期の水素、ヘリウムからなる一次大気は地球の重力ではとらえる ことはできず、太陽風によって飛ばされた。その後地磁気が形成され、火山活 動によって地中から供給されたガスによって今日の大気の元が地球を被った。 さらに酸素は植物の光合成によって二酸化炭素から分離され、今日の地球大気 の構成要素となった。地球の重力は水蒸気、二酸化炭素を引き留めておくには 充分である。太陽に暖められ、地球の表面温度は平均15度Cで大量の水が液体 で存在しえる。

【地球の水環境】
 水は地球環境形成に特別な役割を果たす。水は他に比べて融点、沸点が高く、 熱の収支の差を緩和し、気候を温和に保つ。水の分子構造は電気的極性をもち、 イオンや電気的極性を持つ物質をよく溶かす。水は融点で密度が高く、その上 下で体積は小さくなる。岩の割れ目で水は、温度の上下により浸透と膨張を繰 り返し、岩を機械的に破壊する。水に溶けた塩化水素、二酸化炭素は岩石中の カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄などを溶かし、岩石を化学的に 侵食する。水は水素イオンと水酸化イオンに解離し、酸としての性質と塩基と しての性質を兼ね備え、しかも全体として中性である。

【地球大気の運動】
 地球誕生後温度が低下し、大気中の水蒸気が雨となって岩石を侵食し、無機 イオンを含んだ海を形成した。海水中に発生した生物は、海水中に溶けた二酸 化炭素を骨格化し石灰岩として固定する。大気中の二酸化炭素は水蒸気と共に 地表からの遠赤外線の放射を妨げるが、大気中の二酸化炭素の減少は地表の温 度の上昇を抑える。
 太陽エネルギーを利用し、二酸化炭素と水から生物自身を作る生物の進化は、 地球に単離した酸素を供給する。酸素は金属イオンを酸化させ、海水中の鉄な どの酸化物を沈澱・堆積し、鉱床を形成する。酸素はオゾンとして地球大気の 上層で紫外線を防ぐ。

 地球環境は地球の太陽系における位置と、それによる生物の発生によってで きあがった。

【地球の構造】
 陸上で35km、海底で5kmの厚さの地殻がある。
 地殻から2,900kmの深さまでがマントル。マントルの内側が核で、5,100kmの 深さで内核と区別されている。
 マントルは個体であるが高圧下で対流し、地殻を運ぶ。地殻の厚い部分であ る大陸は移動し、分離、衝突して地形の基礎を形成している。地殻の衝突エネ ルギーは、地震となって開放されたり、熱エネルギーとして地殻を溶かしマグ マにし火山活動をおこす。
 大気の構造は、太陽熱による熱循環をする対流圏が10から18kmの高さまであ る。さらに50kmまでを成層圏。80kmまでを中間圏。その上を熱圏と呼び数百km まである。太陽からの紫外線は20から30kmの高さで酸素分子を分解し、酸素原 子核同しを結合しオゾン層を形成し、紫外線の地表への照射を防いでいる。熱 圏では太陽からの紫外線、軟X線により電子を原子核から分離しプラズマ状態 になった電離層を形成する。電離層から供給されるプラズマによってプラズマ 圏が形成されている。その外側に太陽風が、地球の磁気によって遮られ、磁気 圏界面を形成しその内側を磁気圏と呼ぶ。太陽風は磁気圏によって遮られ、流 れを変えるところまでが地球環境として、地球以外の太陽系空間とは区別され る。

【地球の物質循環】
 地球のエネルギーは太陽からの輻射と、地球中心部の原子核崩壊エネルギー がすべてである。隕石の突入は地球の物質循環に影響を与える規模の物は数千 万年に一度の頻度である。そうした隕石は衝突エネルギーの大きさ、その影響 によって生物環境に壊滅的打撃を与えはするが、地球の物理過程には相対的に 大きな影響はない。
 地球の主たるエネルギー源である太陽エネルギーは大気圏外で太陽に正対す る1平方センチ当り1分間に1.96カロリーで地球を暖める。太陽熱は陸地と海 洋との比熱の違いによって大気を循環させる。太陽熱は海洋を暖め水蒸気とし て水を上空に汲み上げる。大気の循環は海洋から水を運び、雨、雪、氷として 陸地に供給する。水は陸地を削り、陸上物質を海洋に供給する。太陽からのエ ネルギーと、地球内部からの核崩壊エネルギーは、夜の部分から地球外に放射 され、捨てられる。エネルギー収支がつり合い、一定していることで地球環境 も一定している。
 地球の公転運動、自転軸の傾き、マントルの対流、土地の凸凹により、地域 的エネルギー循環の多様性を実現し、地球環境を変化に富むものにしている。
 太陽エネルギー、大気の循環、水の循環の過程で生物が活動する。生物の圧 倒的量をしめる植物によって光合成が行われ、酸素が供給され、炭水化物を合 成する。植物は動物に食べられ、アミノ酸、タンパク質源となる。一方、石炭、 石油は、生物の炭化したエネルギーの塊である。

【地球環境問題】
 人間の活動が大きくなり地球環境を変動させる規模に達し、地球環境問題が 生じている。
 核戦争による破壊、放射線の生物への影響、ほこりによる太陽光の遮閉によ る核の冬が予測される。
 核エネルギー、化石燃料によるエネルギー循環の変動。化石燃料の消費によ る二酸化炭素の増大。二酸化炭素の放出は温室効果として地球温暖化の原因に もなる。地球温暖化は極地の氷を溶かし、海面を上昇させ臨海部の都市、耕地 を水没させかねない。
 人工合成物により生物環境を汚染する。オゾン層の破壊は地上への紫外線量 を増大させ、生物の遺伝子、生理過程を狂わす。
 硫化物の大気への放出により酸性雨が降る。酸性雨は森林の立ち枯れをもた らす。大気汚染は人の免疫機構にまで影響を与えると言われている。
 酸性雨、森林伐採は土壌破壊、砂漠化、水・エネルギー循環の変動、酸素供 給源の減少となる。
 さらに、地球環境対策は南北問題として、世界的な社会問題に直接する。

 

第5項 生物の可能性

 生物も宇宙史の中に位置づけられる。
 生物の問題は知的存在の宇宙史における位置づけでもある。
注23

 地球生命は、地球の物理的条件の中から誕生したが、地球の物理的条件その ものでもある。生命なしに、地球の物理的条件はできない。
注24
 生命活動は地球の物理的条件によって生まれたが、物理的条件を変革した。 しかも自らの生物的条件も変化させた。

 

第6項 物質進化

 物の存在は物質として、この宇宙の開びゃくからその運動形態、存在形態を 発展させてきた。物質の運動・存在は階層構造をつくり、個別の存在として、 より発展的な構造、秩序を創り出してきた。全体はエントロピーの増大法則に よりながら、部分はエントロピーを減少させてきた。基礎的な存在構造から、 より発展的な存在構造へは存在形態として質的な飛躍がある。この変化の方向 を、生物進化の概念を拡張して物質進化と呼ぶ。
 素粒子から原子、分子へ、分子から天体、化合物への質的飛躍は、宇宙環境 の変化、膨張による温度の低下の中で起こった。それ以上の飛躍が生物の発生 である。質的に閉じられた物質代謝、自己複製、そして生物進化はそれまでの 宇宙物質の発展とは質的に異なった方向への運動形態の変化である。それまで の宇宙全体の物質の運動形態の発展は、生物進化の方向からみれば、単なる展 開でしかない。物理的物質進化の方向からなる座標空間を超えた、新たな運動 方向の次元軸の追加である。物理的時空間の尺度で生命を測ることはできない。 逆に物理的物質の座標空間内では、生物の存在も特殊な物質代謝過程でしかな い。
 さらなる物質進化の質的飛躍として「文化」がつくりだされた。
注25
 物理的時空間、生物活動空間を反映し、自らの存在の内へ制御する生物的運 動形態が精神活動である。その運動形態全体のあり方を「価値」として、運動 の方向性を持った。価値の持つ方向性が新たな次元の追加である。物理的時空 間、生物的空間からはなんの意味も、普遍性もない価値が「文化」のなかで、 「文化」にとっての方向性を持った座標軸を示す。「人間原理」「物活説」 「宗教」など様々な形をとって表現されることもあるが、それらが「文化」の 示す方向をどれほどに反映しているかはともかくも、「文化」の運動方向は生 物進化の方向とは質的に違ったものであることは確かである。「文化」の具現 者が自らをどの様に評価しようが、自らを評価し、自らに方向性を与える存在 として進化した。

 

第3節 宇宙の尺度

 宇宙の空間は宇宙の大きさから、素粒子の大きさまでを算術比で現すことは 困難である。

【長さの測定】
 日常的距離は一定の長さの物をあてることによって測ることができる。距離 のわかっている2点からの角度を測ることによって、直接尺度をあてることの できない地点までの距離を測ることができる。正確な距離の測定によって光、 電波の速度が測られ、レーザー、レーダーによってより正確な距離が測定され る。地球の公転軌道の直径を基準に銀河系内の距離を測ることができる。星の 色と明るさ、星の進化の系列との相関関係によって、変光星の周期と明るさに よって、銀河間の距離を測ることができる。銀河の運動によって宇宙の大きさ を測ることができる。

【長さの目安】
 人間が体を基準にして測れる距離は2m前後が限界である。実用的測定は1m 程度が基準になる。連続する徒歩旅行で1日の行程が数十km。
 地球の周囲が4万km。月までが38万km。太陽までが15,000万km、光で8分20秒 かかる。太陽系の大きさとして、冥王星の公転軌道直径が100億km。
 光が1年で進む距離が94,600億kmで、1光年。一番近い恒星が4.3光年。銀河 系が100億個の恒星を含んで、直径が10万光年。銀河系を含む23個の銀河からな る局所銀河群の直径が300万光年。乙女座銀河団を中心とする約50個の銀河群か らなる局所銀河集団の直径が3,000万光年。約10個の銀河集団からなる超銀河集 団、銀河の連なる泡状の直径が3,000万光年から1億光年。それを取り囲む大き な泡の直径が4億光年。宇宙の直径が150億光年。
 逆に、人間の神経細胞の長いもので1m余、ヒトの卵細胞は1,000分の1m。DN Aのらせんの半径が1,000万分の1m。原子の直径が10億分の1m。原子核の直径が 100,000億分の1m。

【時間の目安】
 10のマイナス44秒=プランク時間より短い時間は量子力学では測れない。
 宇宙のビックバンがおよそ120〜150億年前。
 ビックバンから10のマイナス36秒後に強い力が重力と分化し、宇宙が物質を 過剰生産し、インフレーションを開始した。
 10のマイナス11秒=100億分の1秒後に弱い力と電磁力が分化した。
 ビックバンから10万年過ぎて陽子やヘリウムの原子核が形成された。
 ビックバンから30万年過ぎて電子と原子核が結合し、宇宙が晴れ上がった。
 10億年で銀河が誕生した。
 100億年で太陽系、地球が誕生した。現在から45.6億年前。
 地球生物の誕生が36億年前。ヒトが猿人から分化したのが150万年前。
 人類文明が誕生したのが数千年前。
 人の一生が70年。人1世代が20年前後。


続き 第二部 第二編 生命の発展

戻る 第二部 第一編 第2章 世界の物理的構造

概観 全体の構成

   目次