対称性
対称性*は一般的に「ある変化に対して変わらない性質」です。
対称性は変化にあっても保存される性質です。
存在の全ては変化しています。
日常生活での物は静止しているように思えますが、それを構成している分子、原子は常に運動しています。
存在の全ては秩序を失う乱雑化、平衡化、エントロピーの増大化にあります。
全く区別するもののない究極の秩序と、どんな区別も消滅する混沌には対称性があります。
全体の変化に対する部分の保存、静止は平衡の実現です。
対称性は変化にある不変を表現します。
変化に不変が実現する対称性が存在を表現します。
全体の平衡化に対して開放されながら、自らの内の平衡化で外の平衡化を打ち消す非平衡開放系として保存、静止が実現します。
物質場は揺らぎ、励起して粒子を実現し、粒子は保存されます。
水の流れにあって、渦は流れつつ全体の流れから独立して保存、静止して形を実現、表現します。
アリスの鏡の国の赤の女王は、その場にとどまるためには、全力で走り続けなければなりません。生物進化学に「赤の女王仮説」として引用されます。
ヒトの身体を構成する細胞も、その分子もそれぞれの周期で入れ替わります。
自己意識も常に変化し、成長し、老化します。
保存、静止は他との区別として形を表現します。
対称性は差異性と同一性の相補する表現です。
対称性は存在の基礎であり、認識の基本です。
対称性は変化にあっての不変性です。
数学での対称性は何らかの変換に対する不変性です。
幾何図形の変換には並進、回転、鏡像があります。
幾何図形は開かれた普遍空間と閉じた個別空間を区別します。
個別空間は図形一般の存在表現です。
個別空間は形の表現です。
幾何図形は対称性によって分類されます。
次元の分類も自由度の対称性によります。
個別空間は普遍空間との区別を表現します。
普遍空間にあって、個別空間は個別空間どうしが区別されます。
その個別空間どうしにあっても、同一性と差異性で互いに区別されます。
個別空間どうしは重なり合うことで同一性を表現します。
個別空間どうしは重ならないことで差異性を表現します。
個別空間どうし重なり、同一であっても普遍空間に対してそれぞれ区別されます。
対称性は相対的です。
ヒトの身体の前後、上下は非対称ですが、左右はほぼ対称です。
しかし、内臓は左右でも非対称です。
対称性は普遍空間や、他に対するだけでなく個別空間内の対称性もあります。
普遍的空間に対してそれぞれの個別空間は唯一性です。
他の個別空間とは数多性を表現します。
対称性を同じくする個別空間は互いに単一性です。
他の個別空間とは多数性を表現します。
変換の区別が対称性を区別する対称軸です。
対称軸を探し、明らかにすることで区別が明確になります。
人の対称性と男女の対称性はジェンダー問題の基準になります。
対称性は存在秩序の表現です。
存在秩序は秩序の混沌化、散逸過程にあって保存される姿、形です。
対称性は変化、変換にあって現れる、不変に保存さる存在表現です。
対称性は存在表現ですから物理化学、生命活動、社会関係、文化にも、数学にも表れます。
物理の基本的物質は互いを区別できません。
同じ質量の原子は空間位置で区別できても、互いを区別することはできませ。
生物は生命の基礎をなす物質代謝が非平衡開放系としてあります。
生物の恒常性は同化と異化の対称性で実現します。
社会は物質代謝を組織化して成り立ちます。
生産と消費の対称性が基礎にあります。
価値は等価交換されて流通を維持します。
文化はコミュニケーションが基礎です。
コミュニケーションは双方向の対称性です。
コミュニケーションは相違から同意を目指します。
文化は多様性を普遍性が貫きます。
文化は多様性で豊かに成り、普遍性で広がります。
人格は皆異なりますが平等を理想とします。
数学、論理の関係は対称性で変換され、拡張されます。
数学の対称性は図形を区別し、公式に対称性が表現されます。
関数は静止、固定した関係表現ですが、値が代入されて存在関係を表現します。
関数は可変の値にかかわらず、不変の関係を表現します。
等式は左辺と右辺の対称性を表現します。
不等式は移項できない関係の保存を表現します。
対称性は区別と関係の表現です。
対称性は区別があっても差異の無い表現です。
対称性には区別する基準、軸があります。
対称性は軸で区別された部分間の異同を表現します。
対称性は区別する軸の問題であるとともに、区別される部分間の異同の問題です。
対称性は破られるまで軸は定まりません。
対称性が破れて、時空間、質量が表現されます。
秩序が破れて一様性に差異性が生じ、対称性が
区別を表現します。
区別を表現する対称性がないことで一様性を
受容できます。
対称性は一様性が普遍性の次元と個別性の次元とに分かた表現です。
対称性は普遍性と個別性、同一性と差異性とを重ねます。
同一性が普遍性の全体を表現し、差異性が個別性を部分として表現します。
全体に普遍性、同一性があって、部分の個別性、差異性が
実現します。
普遍性、同一性がなければ個別を区別する関係、差異性の
関係が成り立ちません。
対称性は自己否定です。
対称性は同一性と差異性の統一です。
対称性は差異性を対称軸によって表現し、差異性で区別された同一性を表現します。
左右、上下、前後等何らかの差異によって区別での同一性です。
対称性を区別する基準が対称軸を表現します。
存在の対称性は自発的に破れます。
対称性は存在が実現して破れます。
垂直に立てた鉛筆は水平方向に対称ですが、倒れて対称性を破ります。
対称性の分類と対称性
対称性は自由度を区別します。
対称性は普遍性と個別性を区別する特殊性です。
2025.04.20