概観 全体の構成
いつの時代でも時代の制約がある。歴史を超越した人間としての理想の生き 方などない。理想の人間社会も現実には存在しえない。歴史を超越するのでは なく、普遍的な生き方を追求すべきである。
現在が不合理であるとして、以前の時代へ戻ることはできない。不合理な事 柄は正すことはできても、切り捨てることはできない。科学技術の進歩が公害、 環境破壊、人間性の破壊等否定的面があるからといって科学技術を切り捨てて は、科学技術の否定的面を正すことも、飢えや、人口増加に対応することも、 社会を維持することもできない。個人的にはともかくも、技術、方法論からし ても社会的にどの時代まで戻るのか。結局、人間誕生以前にまで立ち戻らねば、 人間文明の否定的面は克服できないことになってしまう。
この第三編は具体的生き方に関わる課題を整理する。
第9章では、社会生活を実現している人間関係での力関係。
第10章では、生きていく上ですべての人に関わる一般的課題、人それぞれ の立場によって関わる社会的・専門的課題、個人的課題ではあるが人生での普 遍的課題を整理する。
第11章は、様々な課題の総括としての、現在の我々の生活の到達点の評価 である。
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