世界の存在秩序
世界を形づくっているのは秩序です。
「形づくる」形は秩序の表現です。
形は他と区別する関係を表現しています。
形は他との関係が変化しても他との区別が変わらないで保存されます。
丸から三角へ変化しても内外を区別する形の表現は保存されます。
変化しても他との区別と関係を保存するのが秩序です。
秩序は物事を形づくっています。
秩序は見出す以前に実現しています。
秩序は普遍性の実現です。
全体秩序は一つの宇宙としてのまとまりです。
一つのまとまりに普遍性があります。
個別秩序は場所、時にかかわらず再現します。
場所、時を超える普遍性があります。
秩序が普遍であるから予測できます。
秩序の実現としての世界を解釈します。
科学は世界の秩序を法則として表現し、法則に基づく理論で秩序を説明します。
物理的には閉鎖系である全体秩序が乱雑化して混沌に向かう過程に個別秩序が創発します。
秩序は変化にあって変化しません。
秩序は一般に乱れのなく整っています。
しかし実際は全てが運動し、変化しています。
秩序によって変化している不定が不変に定まります。
変化が定まって不変になります。
変化無しに何も産まれません。
産まれること自体が変化です。
存在は変化によって実現します。
すべては変化することで存在を実現します。
変化が変化を定めます。
変化が持続して、保存されて変化が定まります。
変化は作用によって実現します。
作用はすべて相互作用です。
作用は互いを変化させ、一方的作用はありません。
不釣り合いな作用関係にあっても相互に作用します。
作用があれば必ず反作用があります。
変化せず保存されるのは関係です。
他との関係が一定に定まることで不変が表現されます。
物が静止して見えるのは、そのものからの光が変わらずに次々と届くからです。
物の光との作用、光と視覚の作用が変わらずに持続して、静止像が見えます、
人が意識した関係を対象として、不変な観念が意識に表現されます。
その不変である観念も、実際には意識する度に改めて再表現されます。
記憶された観念も想起する度にその時の意識の状態に影響されます。
変化なしに関係は成り立たず、意識されません。
ところが、形式論理での対象は定義されて変化しないとされます。
形式論理は変化しないことを前提にして成り立ちます。
形式論理の基本原則は同一律、矛盾律、排中律です。
秩序を失われる秩序として捉えるのが弁証法論理です。
弁証法論理は矛盾を止揚します。
変化にあって変化を否定する秩序として存在は実現し、表現されます。
変化して変化を否定する存在の弁証法です。
存在秩序にも否定を否定する再帰構造があります。
変化にあって変化し続ける不変は非平衡開放系として実現します。
変化しない平衡系は他との変化する非平衡関係に開放されていて、自らの存在秩序を保存します。
変化する環境にあって、自らを変化させることで自らを保ちます。
秩序には作用して実現する秩序と、作用の関係を表現する秩序とがあります。
作用の実現は全体秩序です。
実現する普遍的秩序は全体の秩序です。
作用の関係は個別秩序です。
個別秩序は異なる時空間で再現します。
秩序として異なる場所、時間でも同じ物事が生じます。
環境条件が同じなら同じ秩序が現れます。
個別秩序は個別秩序の組合わせで変化します。
環境条件の多様性と秩序自体の組合せの多様性とが表れます。
秩序は既に確定しているのではなく、実現して確定します。
ただし、確定は固定ではありません。
物理量は相互作用で定まります。
秩序は再現するから予測ができます。
動物は進化し、よりよく予測する種に意識を生じました。
意識の定義も様々ですが、よりよく予測する意識ほど進化しています。
世界の秩序は混沌へ向かって乱雑化することで、個別秩序を実現します。
全体秩序から個別秩序が実現します。
全体秩序は失われて無秩序化します。
熱力学の第二法則として、孤立系のエントロピーは増大します。
全体は外のない孤立系とみなせます。
個別秩序は創発し、構造化し、階層化して発展します。
宇宙は物質構造を発展させ、意識まで実現しています。
物質構造の発展は物質進化、生物進化の歴史です。
個別秩序も不変ではなく作用によってそれぞれに失われます。
個別秩序も全体の乱雑化に含まれます。
存在は秩序の実現です。
秩序の実現は相互作用です。
存在はすべて相互作用して実現します。
相互作用によって互いの存在が区別され、個別存在秩序が実現します。
作用して個別秩序は実現し、作用して個別秩序は消失します。
すべては作用として存在を実現し、区別を表現します。
秩序は必然ではなく、偶然の相互関係を介して実現します。
必然が絶対であるなら因果の区別も無く、変化は生じません。
存在は相互作用して互いを区別し、表現します。
作用なしに区別も関係もありません。
元々何らかの作用主体が存在するわけではありません。
元々の作用主体を求めるのは、世界を創造する「神」に原因を求めるのと同じです。
存在が相互作用して個々に区別される存在を実現します。
物理的に相互作用は重力、強い力、弱い力、電磁気力に分かれたとされています。
相互作用の場が励起して対をなす素粒子を実現します。
四つの力それぞれが相互作用の実現です。
宇宙膨張を加速する暗黒エネルギーの作用は未だ不明です。
区別と関係の秩序表現を受容することが理解です。
究極の秩序は異なる区別される部分のない斉一性、唯一性です。
究極の混沌は区別と関係が定かでは無い均一性、無限性です。
究極では秩序と混沌を区別できません。
この宇宙の初めは超高温超高密度の区別のない秩序だったと解釈されています。
無秩序化の究極にある混沌は運動の区別と関係も表現しない熱死と解釈されています。
究極の混沌にあっても静止ではなく、量子揺らぎが残るとされます。
実際には秩序は混沌と対立します。
秩序と混沌の対立は固定していません。
秩序が破れ、秩序が失われることで混沌化します。
秩序は作用によって破れ、作用によって部分秩序を創発します。
高温高密度の宇宙が膨張して温度と密度が低下して秩序が破れ、区別が生じました。
部分秩序は相互作用によって発展します。
秩序が失われる混沌化にあって創発し発展するのが個別秩序です。
個別秩序は物質進化、生命の誕生、生物進化として発展します。
さらに動物の物質代謝が組織化されて社会が産まれます。
動物の物質代謝の制御と個体間のコミュニケーションから意識が産まれます。
意識間のコミュニケーションによって文化が産まれます。
法則は人が理解した秩序の論理的表現です。
秩序は存在の現れであり、法則は人の理解表現です。
論理は区別と関係の形式的表現です。
論理は秩序表現の普遍的形式です。
秩序の実現を法則に基づいて説明するのが理論です。
2025.08.17