情報

情報は人々が交換し、共有しますが、意識される観念に限られません。
情報は人の認識にかかわらず、存在そのものを、世界を表現しています。
情報が存在を表現しているから、科学認識の発達に応じてより広く、より深く世界を理解できるようになってきています。
人の認識が及ばない領域にも表現である情報が存在しています。
情報は人の認識以前の物質的存在です。
表現も、情報も客観的存在です。
情報の物質的存在基礎が表現です。

情報も表現であり、対象表現と表現対象との二面から成り立ちます。
情報の対象表現は表現媒体です。
言語の能記に当たります。
「情報論」では対象表現をテーマとして、表現媒体である信号の変換、通信技術の理論研究があります。
計算と通信が研究対象です。
情報量、暗号・復号等を扱います。
情報の表現対象は意味内容です。
言語の所記に当たります。
「情報論」ではまた、表現対象のコミュニケーションの理論研究があります。
データ処理、データ評価が研究対象です。
情報の価値、意味等を扱います。今日人工知能が話題になっています。
対象表現と表現対象の二面のどちらかに偏って取り上げられる場合もあります。
情報も元々表現であり、受容との双対をなす存在です。

情報は受容される表現の評価です。
存在の実現で表現と受容は相補します。
存在の実現で相互作用は互いを区別し、互いを表現するとともに、互いの表現を受容します。
情報は相互作用の他の相互作用に対する表現です。
存在自らの存在表現の内に受容した対象表現を継承します。

ですから、情報は対象表現として媒介された表現です。
情報は存在表現が相互作用する存在表現によって媒介される対象表現です。
情報は対象表現として保存されます。
情報は対象表現として継起する相互作用を介して伝わります。

情報を媒介する対象表現が信号です。
対象表現を媒介する相互作用過程は情報の媒体として信号も表現しています。
継起する相互作用過程で対象表現は継承され、情報を表現して信号になります。

対象表現は受容されて互いの関係を表現します。
対象表現は互いの関係表現に位置づけられます。
対象表現を受容する意識にとっての対象の相互位置づけは意味づけであり、価値評価標家です。
意識自体が対象表現を受容し対象全体を再表現して実現しています。

人は社会的存在であり、積極的表現者でもあります。
人は対象表現を情報として交換し、蓄積し、発信し、探索します。
人は情報の媒体である信号を論理的に表現し、操作し、利用します。
人にとっての情報の価値は相対的に変化します。
希少な情報、本質的な情報価値は高く、夥多な情報、些末な情報価値は低くなります。
情報表現の存在自体は変わりませんが価値評価は変化します。
情報としての対象表現と双対する存在表現の実現確率は普遍的です。

2024.09.07 更新