Japanese only

世界図


世界の二元構造を視覚的に説明する図

この「世界図」は物質世界と観念世界の二元からなる実在世界を表現しようと試みた。

常識の世界は「ビックバン以来宇宙の歴史過程に地球ができ、生命が誕生し、進化の末にヒトが生まれ、意識を獲得した」とされる。
ヒトの身体は生理的代謝で物質を交換し自己と対象とを区別して存在する。身体は自己の身体を制御する神経系に感覚を獲得した。感覚は自己の感覚を制御する脳に意識を獲得した。意識は自己の意識を制御する観念に主観を獲得した。ヒトは身体、感覚、意識、主観を自己として構成する。

自己を対象にする意識は自己を観念として、対象とするすべてを観念化して観念世界を創りだす。意識は自己をも対象にする観念世界次元を創りだす特異点である。世界は物質世界に人の意識を特異点にして観念世界との二元世界を創りだす。相互作用によって成り立つ物質世界は意識によって一方的に対象化する観念世界次元を創りだす。そうしてできた二元の世界をこの図に表す。

自己意識は自らを対象にする主観にまで後退するが、逆に拡張もする。道具を使用して道具の先端に拡張される。他者の感覚、感情にまで拡張して共感し、影響して社会関係にまで拡張する。意識拡張の極みはときに世界との一体感にまでおよぶ。
しかし意識は観念世界から抜け出ることはできない。観念世界では感じた物事、知った物事、理解できた物事しか対象にできない。対する物質世界は未知の物事が限りないどころか、基本的物事も何も分からない。物質世界は人の生活経験での理解を超えている。粒子は波動であり、量子はもつれて局在しない。空間は重力で歪み、時刻を比べることもできない。感覚の特異性は錯覚として表れる。感覚は人が生きるに必要な対象秩序を見いだし、区別し、解釈するために錯覚を引き起こす。錯覚と分かっていても錯覚から抜け出すことは決してできない。意識は世界を論理によって個別の観念対象に区別するが、論理関係は相互規定するだけで実在世界との規定関係までは完全に規定できない。

人を生かし、行動を選択する意識は対象を区別し、世界秩序を理解し、選択基準を獲得した。人は秩序を見いだし、秩序を見通して生きる。人は観念世界を物質世界に重ね合わせて実在世界に生きる。